kydhp49’s diary

健康や幸福の香り漂う、ホロ苦「こころのホット・ココア」をどうぞ!

<9> 近藤誠さん、何処へ

 かつて、ガンの標準治療に反旗を掲げ、ベストセラーを連発したのが近藤誠さんだ。彼の考えは過激で、ガンの多くは早期発見をしてもしかたがないという。たちの悪いガンは、早期に発見されるときはすでに手遅れ。また、多くのガンはたちの悪いものではなく、放っておいてもよい「ガンもどき」だ、とまくしたてる。早期発見され、手術によって治ったと思うガンは、放っておいても問題ないから手術するだけ身体に悪い、損である、と言い放つ。

 現在の日本人の死亡因第1位はガンである。最近では、2人に1人はガンになるとまで言われている。しかし、治療効果がないものが多く、それでも治療を受け、ボロボロになり無念の死を迎える人も多い。そこで、近藤さんのような、きっぱりと論を発する見解には飛びつくことになる。しかも、かれは大学病院の放射線科に勤務していたれっきとした医者であった。
 しかし、その発言にはそれほど科学的根拠はない。また、それに反論する向きにも根拠が乏しい。つまり、混乱の状況で、患者だけが治療難民と化していく。その近藤さんも、近頃やけに静かだ。大学病院退職後は、研究所を立ち上げ、ガン患者の相談にのっているらしい。1時間で5万円ほどの高額相談費用が批判されたこともあったが、今はどうされているのだろうか。つめの甘さはあっても、世の常識に果敢に挑戦する姿勢は、個人的には好感がもてた。これに、科学的根拠がつくほど、つかなくてもつける方途を示唆する見解となれば良かったと、つくづく思う。このままでは、正しいかどうか決着がつかない。これを科学とは言わないのだ。

 しかし、健康にまつわる読みもの的な書籍が多い昨今である。その多くが多くの読者を得ている。それほどに、平素満足の行く医療に出会う人が少ないということである。さてさて、このブログも一段階ギアをあげる時が来ているようだ。