<42> 今年2冊目の書籍の出版
今年に入って2冊目の書籍を出した。
「日本の心理教育プログラム ―心の健康を守る学校教育の再生と未来―」(福村出版)
私が編著者になり、総勢16名よる書籍である。
私たちは、学校で健康と適応を守る予防的な教育プログラムを開発し、実践してきた。それは貴重な試みであったと思う。しかし、必要にもかかわらず、この種のプログラムが学校で、安定して恒常的に実施されることはいまだにない。
なぜなのか? なにが足りないのか? どうすればよいのか? 子どもの健康や適応、つまり生命を守ることは何より大切なことは誰もがわかっているはずなのに。現在の日本における心理教育プログラムを広く紹介しながら、この問いに対して回答を提示しようとしたの本書である。
16名の執筆者が、それぞれの立場からこの難問に挑んだ。渾身の一冊になったと自負している。どの執筆者も熱い思いをもって語ってくれた。誰もが実体験をもとに書いているので、いずれも心に響く内容となった。
そして本書では、日本の学校教育の行く末を案じ、これから学校はどのように変貌を遂げる必要があるのかも存分に語った。子どもたちの健康や適応を語っていると、どうしても触れなければならないのが、現在の学校の問題になる。
むずかしい語り口は封印し、平易に、読んでいて楽しくなるように全編が貫かれた。随所に挿入されたイラストもかわいく、章間に挿入されたトピックも実態に基づくもので迫力があった。
最後の座談会は、どうだろう。この領域で長年やってきた5名が集まり、喧々囂々の討議を繰り広げ、なかなかの見物である。
さて本書をもって、子どもたちの健康と適応、ひいては幸多き生涯を守る方向に学校は舵を切るだろうか。そのことが、本当の学びを促し、知的側面までも伸ばすことにも気づいてほしい。
少なくとも、この書籍を皮切りには、私たちの活動は加速されることだろう。
出版社による詳細: