kydhp49’s diary

健康や幸福の香り漂う、ホロ苦「こころのホット・ココア」をどうぞ!

<43> 学校教育における三大問題への対応 ― 論文三部作の完成 ― 

現在の学校は問題が山積している。なかでも、いじめ、不登校、愛着障害は、対応が急がれる三大問題と考えている。そこで、この問題について、特徴と対応を詳しく論文化しようと、3年前から一つずつ問題を絞って書いてきた。そして、この3月に3本の論文が…

<42> 今年2冊目の書籍の出版 

今年に入って2冊目の書籍を出した。 「日本の心理教育プログラム ―心の健康を守る学校教育の再生と未来―」(福村出版) 私が編著者になり、総勢16名よる書籍である。 私たちは、学校で健康と適応を守る予防的な教育プログラムを開発し、実践してきた。そ…

<41> 我が恩師を見上げて 

大学と大学院で教えを受けた恩師が、昨年7月にお亡くなりになった。享年92歳の天寿であった。 コロナウィルス禍で私たちが参列できる葬儀は執り行われなかったので、私たちは、せめて先生を偲ぶ会をもちたいと願っていた。それが、この5月7日に母校で開催…

<40> 講演テーマは、とめどなく広がる 

ここ2年、リモート講演会を多数回開いて来た。そこでの講演テーマは広がり、「発達の道すじ」のダイナミズムを皮切りに、「不登校」の原因の多様性を伝え、「いじめ」を終結させる方途を主張し、「本当の自己肯定感」の謎に迫り、学校周辺や人間が余儀なく…

<39> 夢多き大学院学生に幸あれ!

大学から大学院にかけては、いろいろと悩むことが多い。私もその例に漏れなかった。 なぜか、無謀にも、高校時代から研究者になると決めていた。なにがきっかけだったのか、思い出せない。今思えば、不思議なものだ。しかし大学に入り、専門領域に進む手前で…

<38> 「英語を勉強する交流広場」のありがたさ 

NPO法人「予防教育科学アカデミー」を設立して半年が過ぎたところである。活動はきわめて順調に進んでいる。最近、立て続けに開催しているオンライン講演会を筆頭に、様々な活動が付加され続けている。 そのなかに、「English Writing 交流の広場」がある。…

<37> ウェビナーでのオンライン講演会の限界と期待 

先頃、Zoomのウェビナーを使って講演会を実施した。健康や適応に大切な心の形成と働きについての総合講演である。私の講演では、最初に聞いてもらいたい講演でもあった。 授業や会議では、TeamsやZoomを使って、このコロナウィルス禍の中、なんとか必要事を…

<36> 数学の天才たち ―解き明かされたフェルマーの最終定理とABC理論― 

数式には強い方ではないが、専門書ではない数学や物理学関連の物語り本を好んで読む。200年の時を超え、ニュートン力学を塗り替えたアインシュタイン理論に魅せられたのがそのきっかけかもしれない。常識を覆したアインシュタインの相対性理論はやはり迫力が…

<35>  誕生! 子どもたちを健全化する新しい組織 

特定非営利活動法人(NPO)として「予防教育科学アカデミー」が設立された。 現在16名の社員がいて、活動を始めている。主な事業部門は4つあり、 「学校での予防教育実施支援」 「不登校やいじめなど学校問題に悩む教職員への支援」 「子育てや幼保活動の…

<34> オンライン授業を限りなく対面授業に近づける ―その成否は如何に?―

コロナウイルス禍の影響で、大学の授業は軒並みオンライン授業と化した。私の大学もその例にもれないが、リアル対面授業の良さをオンライン授業で失うわけにはいかない。 まずはオンラインアプリを探り、ZoomかTeamsかと迷ったが、Office 365を使う身では自…

<33> 仏教と心理学 ― 空海と親鸞を超える心理学はあるのか ―

最近、マインドフルネスやセルフコンパッションという研究テーマが心理学で流行っている。マインドフルネスとは、今ここに注意を集中し、過去や未来への憂いから解放される心の動きであり、セルフコンパッションとは、どんな状況下でも「あるがままの自分」…

<32> 幼少期から青年期までの健全な道すじを築く、夢のごときアプローチ

子どもが、健康で、生き住まう社会に適応できることを目指し、学校で行う予防教育を開発し、実施してきた。数々の障壁に見舞われならがらも、この教育は第3世代へと発展し、学校で先生方が継続的に実施できる出来映えにまで進化することができた。10年を越え…

<31> 麗しきタイの人々、活気天衝く街

昨年の暮れ、学会でタイに出かけた。日本の旅行者には、人気1,2の彼の地である。学会はいつも通りの雰囲気でつづがなく終わり、相変わらず有意義な機会となった。しかしそれ以上に魅せられたのは、タイの人々の生活ぶりと人となりである。 タイの首都バン…

<30> 世にも不思議な、それは不思議な研究会

昨年から新しい研究会を定期的に開催している。その名も「研究推進研究会(RP研究会)」という。 これがまた風変わりな研究会で、参加者の研究を徹底的に推進することを目指している。参加者みんなで協力して、メンバー各自の研究の芽を育て上げる。共同研…

<29> 秋に想う。同窓会に行くもよし、行かぬもよし、それぞれの人生。

紅葉の季節を迎え、秋たけなわである。なぜか、この季節になると、同窓会の案内がよく届く。冬の到来の前の、この寂しげな季節が、ノスタルジーへと誘うのであろうか。 その案内は、中学校、高校、大学と多くの校種にまたがっている。さすがに小学校はないが…

<28> 学会シンポジウム、ドタバタ旅日記

例年、9月から10月にかけては、日本心理学会と日本教育心理学会でシンポジウムを企画し実施している。私自身が話題提供者になることも多い。今年は、両方で企画と話題提供を行った。しかも、日本心理学会と日本教育心理学会は、一日の間も置かず連続の開…

<27> アジア歴訪 ― 躍動感あふれる台湾

このブログでは、アメリカやヨーロッパでの体験はよく紹介してきた。と、振り返ってみると、アジアでの体験はほぼ紹介していないことに気づいた。というのも、西欧諸国行きと比べて訪問頻度がそれほど高くないことによる。 しかし、最近は毎年のようにアジア…

<26> 教師としてのしあわせ ― 32年ぶりの奇跡の再会

ある大学の先生から聞いた話である。どうしても伝えたいので、私の勝手な想像を細部に加え、物語りを紡いでみたい・・・。 ------- 少し前のことだ。私は東京行きの機上にいた。もう数時間もすれば、なんと、32年ぶりに、以前勤めていた大学の教え…

<25> 私たちは、無意識の力に牛耳られている!

神経生理学者のリベットは、我々には自由意志がないことを見事に証明した。その研究は実に衝撃的であった。 簡単に彼の実験を紹介しておこう。参加者には、好きなときに手首を曲げてほしいと伝える。その際、手首の動き知るための筋電図と脳からの指令の開始…

<24> 教育は、天才を手放しで愛でてはいけない

歴史上、天才の誉の高い人物は数多い。その人たちは成し遂げた業績で評価され、偉業としてたたえられる。しかし、人格的には決して賞賛される健全さを持ち合わせていないことが少なくない。 類いまれなる創造物を生み出す天才は、多くのものを犠牲にしてきた…

<23> 逆転の発想! 英語習得力の低い者こそ、本当の英語教育を語れる!!

仕事がら英語は道具として使っている。別に得意ではないが、道具としては機能しているから、それでよし。日本では、この英語の学習が重視されている。ご存知のように、小学校では英語は教科となる。 この点、英語を母国語とする人たちはのんきである。アメリ…

<22> アメリカ合衆国、道場破り滞在記

思い返せば、10年ごとに研究環境をがらりと変えてきた。その変貌はそのときどきで違うが、とにかく10年以上の単調な繰り返しを厭う体質のようだ。 あるときは、研究の対象を乳幼児から児童青年に変え、またあるときは、日本という研究環境を変え、アメリ…

<21> 隠れ児童文学作家の知られざる正体

何を隠そう、私は児童文学作家でもある。といっても、プロではない。アマチュアである。つまり、これで禄を得ているわけではない。 祝日など日がな一日、ポカリと空いた時間を使い、コツコツとワープロを打ち、物語りを奏でる。これまで、長編、短編選ばず書…

<20> ズッコケ、青春蟹まみれ旅行

今年は希有な10連休。とは言え、大学での研究や教育上の仕事がある。いずれも自ら率先してやりたいことなので、仕事と呼ぶのは憚られる。趣味とか、生きがいとかいう代物だ。仕事が楽しいものとなれば格別の味わいがあり、それに没頭できることは精神と身体…

<19> 夢遙か、我が忘れじの名物先生

たまに、学校の恩師の夢を見る。今だに夢に出てくるのだから、相当なインパクトを与えた先生たちだ。これほどの名物先生、私の心だけにしまっておくのはもったいない。ぜひ紹介したい。その名物先生は結構いる。今回は小、中、高校から、えいやっ!という気…

<18> 海外でのトラブル、ワンサカ、ワンサカ♪

海外へは数え切れないぐらい出かけている。アメリカにいるときは、アメリカ中を飛び回った。しかし、根が慎重なせいか、大きなトラブルに巻き込まれたことはない、と思う。が、小さなトラブルには山ほど遭遇した。紹介しきれないが、海外旅行の参考程度に、…

<17> マンザイ、バンザイ!

これまで、結構お堅い、重い話を記事にしてきた。そろそろ、本来は柔らかい部分も多々ある人物であることを証すときが来た。そんな記事を織り交ぜねばなるまい。剛柔兼ね備えた人間であることをおおらかに語るときだ。 何を隠そう、私はお笑いが大好きである…

<16> 札幌、豊平川の奇跡

一昨年札幌での講演に出向いたとき、実に奇妙な体験をした。私にとっては希有な、奇跡の体験であった。ぜひ紹介したい。 前日入りしてホテルの部屋で近くに何があるのか調べていると、驚いた。何と、あの有島武郎の小説「生まれ出ずる悩み」の舞台となった有…

<15> 胸しめつける、郷愁の母

卒業の季節。研究室の学生たちが巣立った。静寂の院生研究室に佇む。実に静かだ。胸を覆う惜別の情。この悲しみは何なのだ。毎年のことなのだが、教員稼業のなんとせつないことか。 出会いがあれば、別れがある。重々に承知している。しかし、別れがない出会…

<14> 一瞬の時を解放せよ!

言わずもがな、現代社会に生きる我々はストレスにさいなまれている。そのストレスの出所は、病気を除けば、大半は対人関係の問題からくる。対人関係のストレスが嵩じるのは、過去を悔やみ、将来を心配しすぎることによる。このことから昨今、今このときに集…