kydhp49’s diary

健康や幸福の香り漂う、ホロ苦「こころのホット・ココア」をどうぞ!

<18> 海外でのトラブル、ワンサカ、ワンサカ♪

 海外へは数え切れないぐらい出かけている。アメリカにいるときは、アメリカ中を飛び回った。しかし、根が慎重なせいか、大きなトラブルに巻き込まれたことはない、と思う。が、小さなトラブルには山ほど遭遇した。紹介しきれないが、海外旅行の参考程度に、記憶をたどりながらいくつか紹介しょう。今回は、アメリカ編のごく一部である。

 シカゴからワシントンでの出来事である。確か、学会で成田からワシントンに飛んだときだった。北米に入ってからしばらくして落雷の悪天候に見舞われ、搭乗機がシカゴのオヘア空港に急遽降り立った。乗客は誰もが不安な顔つきであった。何が不安かというと、この次の移動をどうするかという大問題がある。このようなときは、カウンターでクレームを入れ、飛行機のチケットを手に入れる必要がある。もう夕刻の遅い時間なのでこの日の便はないだろう。ホテルも手配してもらう必要がある。翌日には必ずワシントンに着かなくてはいけない。学会発表は待ったなし。結構切羽詰まった状況であった。

 カウンターの女性はちょっと横柄な感じたった。客の言いなりにはならん、という気構えが見える。アメリカではよくあることだ。なんせ、アメリカの某飛行機会社はキャビン・アテンダント機内食のパンを乗客めがけて投げつけるほどだ。やはり日本のどこやらの航空会社は世界一だと、しみじみ思ってしまう。
 しかし、ここで臆すればアメリカ人には勝てない。悪天候はどうしようもないかもしれないが、そんなことで遠慮していては相手にのまれてしまう。“It’s your fault!”(あんたらの責任だ)と、こっちは犠牲者だということを思い切り主張する。事実、犠牲者に違いない。それに、私たちは客なのだ。しぶる相手の目から視線をそらさず、迫力をもって主張し通す。とことん主張する。もちろん、声を荒げてはいないのでご安心めされ。あくまでもこちらは紳士である。
 アメリカ人は自己主張と押しが強いとよく言われるが、こちらが本気で主張するとことごとく折れる弱さがある。カウンター嬢は、私の目を見ず、チケットと、それにもちろんホテル宿泊券、さらに押したので夕食代まで投げつけるように手渡した。まっ、いいだろう。ことは決着した。

 そこからタクシーで町外れのホテルへ。なんというゴージャスなホテルであったことか。浴室は大理石で、湯につかりながら壁に備え付けのテレビが視れた。ベットもフカフカ。残念なことは、わずか数時間しかホテルに滞在できなかったことだ。早朝便に乗らねばならず、シャトルバスで空港に出向いた。眠い。実に眠い。ワシント行きの機中ではもちろん爆睡であった。

 到着したワシントンでも気まずいことがあったな。日本ではめったにしないのに、海外ではやたら道をたずねる。ある英文学者が、学徒のころ、分かっている道を尋ねては語学の勉強をしたと聞いたが、そんな、せこいことはしていない。本当にわからないから、てっとり早く聞くのである。聞くとほぼ全員丁寧に教えてくれる。こんなときは、アメリカ人はとても親切だ。
 それに慣れたのか、ワシントンのダウンタウンで、札束を数えている人に道をたずねてしまった。May I ask you a question? 即刻、No! とにらまれた。当然のことだが、久しぶりの拒絶に心が折れた。何もそんなににらまなくても・・・。しかし、悪いことをしたな、とつくづく反省した。守るべきはマナーである。
 
 ここは、せめてもの償いにアメリカのよいところを一つ紹介せねばなるまい。実は、日本人が思っているほどニューヨークでもどこでもアメリカは基本的に治安は悪くない。きわめて安全なのだ。ニューヨークからワシントンに列車で移動し、深夜に駅についてホテルまで20分ほど歩いたことがあった。暗闇の寂しい通りに、黒人が多くたむろしていた(ワシントンは黒人が多い)。しかし、一人歩いていても何も怖くなかった。私を見る彼らの目はフレンドリーなことこの上ない。人好きのする、明るい人たちだ。とにかく、すこぶる安全、安心なのだ。
 日本でもそうだが、何もかも安全ということはない。そうは言えば、デトロイトで怖い目に遭った。銃弾が頬をかすめるという恐怖の体験をしたのだ。やれやれ、これはまたの話にさせてほしい。


 まだまだトラブルは出てきそうだ。今回はこのあたりにして、次回を期そうではないか。