kydhp49’s diary

健康や幸福の香り漂う、ホロ苦「こころのホット・ココア」をどうぞ!

<27> アジア歴訪 ― 躍動感あふれる台湾

 このブログでは、アメリカやヨーロッパでの体験はよく紹介してきた。と、振り返ってみると、アジアでの体験はほぼ紹介していないことに気づいた。というのも、西欧諸国行きと比べて訪問頻度がそれほど高くないことによる。
 しかし、最近は毎年のようにアジア圏の国を訪れている。といっても、例のごとく、学会参加や仕事上での訪問ではあるが。

 数年前に最初に訪れたのは台湾である。これは、台北市の大学との協定を結ぶ仕事に、講演の仕事も重なった。これまで、アメリカやヨーロッパによく出かけていた身には、時差もほぼなく、ほんの数時間での到着ということで頗る快適な行き帰りの飛行機便であった。
 台湾の空港に降り立ったときは、ここが異国かと疑うほどの近場で、人々の髪の毛も日本人と違わない。到着するそばから親近感満載である。

 街は活気があり、特に若者のエネルギッシュな様子が印象に残っている。1世代前の日本の状況がこれに似た状況かもしれない。日本が統治していた頃の印象が良かったのか、誰もがたいへん親切にしてくれた。片言の日本語を話せる人も多い。本当に親切で、どう返礼してよいか戸惑ったほどだ。
 近代的なビルが立ち並ぶなかでも、古びた商店街が街の隅々に散らばっていた。むしろ、そのような古びた街並みに、台湾らしい、暖かみのある風情を見ることができ、癒された。
 それにしてもバイクの数が多い。車の間を縫うように器用に走りぬく人々に、危ないな、と感じる前に、あふれんばかりの活力にあっけにとられた。時折走る新幹線がスマートな印象を付加していた。新しいもの、古いもの、活力、親切・・・、さまざまなものが混在し、どれもが好印象を抱かせる。 

 講演は大学のキャンパス内で行われた。英語でOKということで、私たちが進める予防教育について一時間半ほど話させてもらった。熱い、熱い。気温が高いということではない。聴衆が熱いのである。しっかり聴き、しっかり質問してくれた。さすが、新しいものを吸収しようという気概が違う。すぐにこちらの予防教育が台湾で広がるということはないであろうが、吸収するぞ、という気迫に満ちていた。 

 滞在中にちょっとした地震もあった。なぜか、そこにも日本と同じと親近感を感じた。台湾と言えば、最近の香港事情が重なる。日本にはない複雑な中国との関係が住む人を不安にさせている。中国、香港、台湾の悲しく、厳しい歴史は、日本人の同情をはねつけるように重い。自由と幸福とが、この国にいつまでも続くことを、ただ祈るばかりである。

 その後訪れたのはシンガポールだ。ここはまたがらりと変わった印象で、日本など足下にも及ばない発展ぶりに度肝を抜かれた。また話したいな。